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【サハリン旅行】まるで酒豪の島?サハリンでお酒を味わう

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サハリンビールが並ぶ売店(ネベリスクにて)

誰もが認める「飲酒大国」ロシア。ロシアと言えば、そのあまりにも寒い気候もあり、度数の濃いお酒が中心となってくるイメージが強いのではないでしょうか。

 

実は、サハリン州はロシア国内でも一人当たりのアルコール消費量がトップクラスの行政区分でもあり、そのこともあってお酒の製造も盛んです。ソ連時代からの工場も多く、社会主義クオリティのものから高品質のものまでさまざまですが、本格派のものもどんどん増えているので、当たり外れを繰り返して、自分に合う商品を見つけていってください。

 

1. ウォッカ

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ウォッカサハリン島民の楽しみの一つだ

2019年の統計で、ロシア国内最大の一人当たりウォッカ消費量が最大だったサハリン。ロシア人の比率が高く、北海道よりもさらに厳しい気候にあるサハリンでは、度数40度程度のウォッカが頻繁に飲まれます。

 

ロシア本土からの輸入も多いものの、州都ユジノサハリンスクを中心にウォッカの製造が非常に盛んで、「サハリンスカヤ(Сахалинская)」と「オホーツコエ・モーリェ(Охотское море)」の2つがかなり有名な銘柄となっています。

 

ウォッカについては、非正規品がかなり出回っていることもあり、上記の有名ブランドに限定しておいたほうが無難かもしれません。間違っても、密造酒に手を出して健康を害するようなことは絶対にしないでください

 

2. ビール

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隠れたビールの名産地サハリン

あまりにもウォッカのイメージが強いロシア。日本では意外と知られていないのが、ロシアはビール大国でもあるということ。2019年の統計では、ロシアのビール消費量は世界5位、一人当たりの消費量で見ても日本よりもはるかに多いんです…。ウォッカを飲みビールも飲む、それが寒冷地のロシア人の生活スタイルであり、サハリンの島民にもそれが当てはまります。

 

ウォッカなどの度数の高いスピリッツに慣れきったロシア人にとって、アルコール度数が5度程度のビールでは物足りるわけもなく、多くの場合1L~1.5Lのボトルでの販売となっています。日本人のように味わいながらジョッキで飲むというようよりはむしろボトルでがぶ飲みする、それがサハリンでよく見かける光景だと言ってしまっていいと思います。

 

そんなサハリンでのビール生産の拠点は、主に州都ユジノサハリンスクコロスとセヴェルナヤ・ズヴェズダや近郊のドリンスク(ドリンスキーやナギエフ)、ウグレゴルスク(ウグレゴルスキー)などで、コロスやドリンスキー、ウグレゴルスキーといったソ連時代の1940年代後半から1950年代に操業した歴史的な醸造所や、新参のセヴェルナヤ・ズヴェズダなどでは、有名銘柄「ジュグレフスコエ(Жигулевское)」が主力商品として販売されています。

 

ソ連崩壊後に操業したユジノサハリンスクのセヴェルナヤ・ズヴェズダからは人気銘柄の「コルサコフスコエ(Корсаковское)」や「オホツコエ(Охотское)」が、ドリンスクのナギエフからはクラフトビールクラフトヴォエ(Крафтовое)」などが販売されており、これらをあちこちの売店で見ることができます。

 

※アレクサンドロフスク・サハリンスキーやトマリ、マカロフなどの醸造所はソ連崩壊後に廃業してしまっています。経済的な苦境の時代が続いたとはいえ、何とも残念なことです。その一方で、世界的なビール会社として知られるハイネケンが極東ロシア向けに販売しているコメ入りビール「オコメ」もサハリンのあちこちで見られるので、日本贔屓の方が多い極東ロシアらしさを感じたい方は、こちらを試してみるのもいいかもしれません。

 

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サハリンビールは種類が多い(マカロフにて)

 

いかがだったでしょうか?

 

サハリンでは、島内での消費量の多いウォッカとビールの生産が盛んだということを今回お伝えできたと思います。しかし、サハリンでは慢性的な人口流出の問題があるため、今後も2021年現在の銘柄が全て存続できるかは未知数です。

 

しかし、コロナ禍のあとは日本人観光客向けのさらなるビザの緩和(電子ビザで16日間の滞在が可能となる)と日本サハリン間の直行便の再開が予定されていることから、今後は日本人観光客の大幅な増加も見込めるはずです。

 

ことビールに関してはボトル入りで鮮度がすぐ落ちるという問題もあり、今後も島内での消費がメインとはなると思いますが、ユジノサハリンスクの元国営醸造所コロスが開発した「林蔵ビール」など、日本人など外国人観光客にも親しまれやすい味の銘柄を増やしながら、これからも生き残りを図っていってほしいと思います。