ハリド日記~ハリドのOfficial Blog~

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【イラク旅行】バグダッド(バグダード)の観光名所を巡ってみた

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バグダッドタワー

イスラム国(ISIS)を壊滅させてから、治安が比較的安定を取り戻しつつあるように見えるイラククルディスタン地域では安定が続きビザなし渡航ができる状態ではありましたが、イラク本土は当時はとても個人旅行ができる状況ではありませんでした(※今と違いビザが全く下りなかった)。しかし、二度のイラク渡航を経てもバグダッド訪問を諦めきれなかった私は、イギリスの旅行会社がイラク訪問ツアーを催行していると知り、イギリスまで直接話を伺いに行って、安全性を確認したうえでツアーを申し込みました

 

ローマ教皇イラク訪問を契機に、イラク当局は2021年3月から日本パスポート保有者を含む一部に対してアライバルビザを解禁したことから、今ではどの空港でも到着時にビザが取れる状況となっています。しかし、古代遺跡など一部の観光施設ついては事前に許可を取っておく必要があるため、主要都市を外れて観光する場合、旅行会社でツアーを申し込むことをオススメします。

 

 

1. バグダッド到着!

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混雑するバグダッドの道路

私自身は、当時ドバイに滞在していたこともあり、現地LCCのフライドバイでドバイからイラクへと入国しました。首都バグダッドまではトルコのイスタンブール国際空港やUAEドバイ国際空港カタールのハマド国際空港など中東の主要なハブ空港から直行便が飛んでいるため、アクセスは簡単です。

 

実は、私のツアーでは2017年当時から既にアライバルビザの形式であったため、今と変わらずにバグダッド国際空港で到着ビザを申請しました。空港では米ドルでの支払いとなるため、事前に米ドルを用意しておいてください。

 

※今年イラクを訪れた友人によると、バスラ国際空港のビザカウンターは外国人で混雑していてオススメできないとのことでしたが、バグダッド国際空港では、2017年時点では30分もしないうちにビザが発給されました

 

2. バグダッド旧市街

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紙幣にもなっているムスタンシリーヤ学院

バグダッドが歴史上発展を始めたのは8世紀半ば、イスラーム帝国(アッバース朝)の時代のことでした。当時はイスラーム黄金期であったこともあり、マディーナ・アッ=サラーム(平安の都)と呼ばれたバグダッドは中国の都と並び立つ世界最大の都市として繁栄を謳歌しました。

 

13世紀以前の建物はモンゴル軍によりほぼ徹底的に破壊されたものの、今もチグリス川沿いにある旧市街には、ムスタンシリーヤ学院やアッバーシー宮殿(Abbasid Palace)、クラーファ・モスク(Khulafa Mosque、当時の遺構はミナレットのみ)など、モンゴル侵入以前の遺産を見ることができます。

 

ムスタンシリーヤ学院は1000イラク・ディナール紙幣にも描かれていて、屋上からは美しいチグリス川周辺の風景を眺めることができます。

 

他にも、モンゴル侵入以降(主にオスマン帝国期)につくられたモスクやハーン(隊商宿)、キシュラ(Qishla)などが保存されていて、こちらも必見です。

 

3. 他のエリア

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3B政策の舞台、バグダッド中央駅

バグダッドの主な見どころは旧市街ではありますが、それ以外のエリアにも見どころも点在しています。その中でも、チグリス川西岸にあるカージマイン・モスクシーア派イマームの廟所)やイラク国立博物館バグダッド中央駅、東岸にある王国時代の歴代君主の廟(Royal Mausoleum)などが有名です。

 

あとは、イラク共和国時代(特にフセイン政権)になってからつくられた数多くのモニュメントも必見です。特に、タハリール広場自由の碑(Freedom Monument)、市内東部の殉教者の碑(Martyr Monument)やグリーンゾーンの無名戦士の碑(Unknown Soldiers Monument)などは有名です。

 

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バグダッド中心部のカフェ

 

いかがだったでしょうか?

 

かつて黄金時代のイスラーム世界の中心地として栄えた首都バグダッドは、実際に行ってみると今も本当に魅力あふれる都市でした。2017年の訪問時は、治安の問題もあり、チェックポイントが点在していてピリピリした印象を受けましたが、治安さえ良くなればより魅力的な都市になると感じています。

 

ビザが空港で取れるようになったことで、コロナ禍以降は学生を中心に訪れる日本人が増えるとは思いますが、日本国外務省はバグダッド市内に退避勧告を出していることもあり、訪問はオススメできません。首都バグダッドの治安が改善されるまでは、ナジャフやバスラなどイラク南部、あるいはエルビルなどクルディスタン地域を訪れるに留めることも、選択肢として考えておいてください。